INTERVIEW インタビュー

NECレッド

ロケッツ川崎

NEC RED ROCKETS KAWASAKI

たゆまぬ成長で優勝を目指す

日々のケアと挑戦がつくる、未来への可能性

和田由紀子/山田二千華

2025.11.27

向かって左より、「和田由紀子」選手、「山田二千華」選手

インタビュー・文=平野貴也 写真=帆刈一哉

成長を支える意識とチームへの想い

インタビューに答える、山田二千華 選手
はじめに、バレーボールを始めたきっかけを教えてください。

山田両親がソフトバレーボールをしていましたし、身長が高く、活かせるスポーツをしたいと思っていたので、中学校からバレーボールを始めました。

和田小学生のときに水泳を習っていたのですが、ちょうど水泳を辞めた4年生のとき、世界大会で活躍しているバレーボール日本代表の試合をテレビで見て、面白そうだなと思って、競技を始めました。

選手として高い目標意識を持つようになったタイミングはいつですか?

山田高校生のときにアンダーカテゴリーの日本代表に選出されて、別のチームにいる同年代の選手と一緒に、海外のチームと戦う経験をしました。普段よりもっとレベルや意識の高い世界を知ったことで、バレーボールの楽しさや魅力にあらためて気付くことができ、もっと上を目指したいという気持ちが強くなりました。

和田純粋に、教えてもらったことができるようになること自体が楽しくて、それで試合に勝てるようになるというのが喜びでした。高校を卒業して、Vリーグ(当時)のチームに入団したときは、5年間を一つの区切りにして引退するか、競技を続けていくかを考えようと思っていたのですが、3年目で初めて日本代表に選出されたときに、もっと上を目指したいと思い、それまでよりも本気で競技に向き合えるようになったと思います。

インタビューに答える、和田由紀子 選手
さまざまな経験を経てきた中で、現在はNECレッドロケッツ川崎の一員として活躍されていますが、このチームの良いところを教えてください。

山田本当にレベルの高い選手が揃っています。今季は主将になったので、チームをまとめていくためにどうしたらいいのか考えています。良いときも悪いときもありますけど、すべての試合がチームの力につながっていると感じていて、これからの試合が楽しみです。

和田長いシーズンの中でプレーが良くなかったり、落ち込んでしまったりする選手も出てきますけど、そういう選手に目を配って、一緒に頑張ろうと声をかけて引き上げる行動を自然にできる、皆が誰かのために動ける温かさがあるチームだと感じています。それぞれに立場は違いますけど、選手全員が常に高いレベルを目指してバレーボールに取り組めていることも魅力だと思います。

プレー中の山田二千華 選手
おふたりは日本代表でも活躍していますが、所属チームでの目標は?

山田チームとしては、昨季あと一歩で達成できなかったSVリーグ優勝が一番の目標です。主将という立場で、自分自身が人間として成長しなければいけないシーズンだとも思っています。プレーでは、ミドルブロッカーとしてブロックで活躍することはもちろん大事ですが、攻撃型のチームなので、ミドルの攻撃でも、もっとポイントも取っていけるようにしたいです。

和田チームとしては、絶対にリーグを優勝するという目標を見失わずに向かって行くこと。個人としては、毎日、常に世界を意識して日々の練習に取り組むこと。練習でも、試合でも、すべてのプレーに対して、満足するレベルを下げてはいけないと思っているので、プレーが成功しても、本当にこのレベルでいいのかと自分に問いかけるようにしています。

戦い続けるためのコンディショニング

プレー中の和田由紀子 選手
高い目標意識を持つ中で、コンディション管理は、どのように工夫されていますか。国内のSVリーグが10月から翌年4月まで行われ、その間にはトーナメント戦も行われます。また、6月からは日本代表としてネーションズリーグを戦い、8月には世界大会。休みのない日程ですよね。

山田休める期間が少ないので、一度休んで身体を作り直すことは、難しいです。ケガをして、回復させることが必要な時期もありますが、コンディションを整えるというよりは、筋力強化も含めて、常にコンディションを上げ続けていく意識で取り組んでいます。

和田常に、自分の身体の変化に気を配っています。昨季の日本代表での活動期間にハムストリングス(太もも裏)に軽度の肉離れを負ってしまったのですが、負傷箇所ばかりを気にして、ほかの部分のバランスが崩れていることに気付かず、うまくいかないまま大会が終わってしまいました。今は、痛めた場所だけでなく、身体全体のバランスが崩れていないかを意識して、なるべく早く気付いて対処ができるように注意しています。

2024−2025年シーズンにSVリーグが新設されたことで国内の試合数が大幅に増えましたが、影響はありますか?

山田試合数が増えて、身体の負担が大きくなるので、試合後のリカバリーは強く意識するようになりました。特に、土・日と試合が続く場合は、土曜日の試合後から、翌日の試合までの時間で、どうやって治療をするか、フレッシュな状態に戻すのかが大事なので、そこにすぐ意識を切り替えるようになりました。

和田私は、プレーの役割の部分で、あまり1試合フルで出場し続けることはないので、大きくは変わりませんが、プレータイムが長かったときは、リカバリーを大切にしています。

インタビューに答える、山田二千華/和田由紀子 選手
学生の頃と比べると、コンディション管理に対する意識は変わりましたか?

和田24年の7月にこのチームに来てからは、練習の準備にかける時間が長くなりました。高校生の頃は、ストレッチを30分する程度でしたが、今は、肩を痛めやすいから、練習前にリハビリで行うような動きで刺激を入れておこうとか、チームとして取り組むだけでなく、自分なりにケガを事前に防げるように意識するようになりました。

山田私は、高校を卒業してからずっと、このチームにいるので、同じように練習前にリハビリを行うのが、今は自然です。ただ、学生時代を振り返ると、練習前のストレッチもあまりやらない日もあったくらいで、痛い部分があっても、若さでどうにかするだけでした(笑)。今は、自分の身体が商売道具なので、練習をする段階でベストな状態に持っていけるように意識しています。

コンビネーション治療器で治療中する、山田二千華 選手 コンビネーション治療器で治療中する、和田由紀子 選手
治療器も使用されていると聞いていますが、どのように使っていますか。使うようになったきっかけや、使ってみて印象が変わった部分があるのかも教えてください。

山田膝を痛めやすいので、電気刺激と超音波のコンビネーション治療器を使っています。チームに入る前は、接骨院に行ったときに治療器を使ってもらったことはありましたけど、ただ言われたとおりにしていただけでしたし、そんなに効くのかなと思っていました。チームに入団してからは、自分でコンディションをコントロールするために何をすべきか考えるようになりました。治療器も、アキレス腱を痛めたときに、痛みがポイントで出るときと、広範囲に出るときがあり、ピンポイントで当てるのか、全体的に当てた方がいいのか、電気刺激と超音波の両方を当てた方がいいのかなとか考えるようにもなり、どう意識して使うかが大事なのではないかと思うようになりました。

和田練習後に足首が腫れていることがあるので、立体動態波治療器を使って、状態を落ち着かせています。私も、以前はトレーナーさんに任せきりでした。自分で治療器を使おうと思うようになったのは、このチームに来てからです。練習の前も後も治療器の順番待ちが起きるので、そこまでして使わなくてもいいかな、そんなに効果があるのかなと思っていましたが、先日、太ももの前部に肉離れを起こす兆候を感じて、大きなケガにならないようにケアしたいと思ったのと、チームメートが超音波治療器がすごい効くと言うので使ってみたら、1週間くらいで効果を感じることができました。

コンディショニングを通じて深まった身体への理解

自宅などでのセルフケアは、どのような取り組みをしていますか?

山田ストレッチや交代浴を行っています。私は、膝を痛めやすいので、練習や試合の後で膝が腫れているようなときは、まずチームの治療器を使いますが、帰宅後にもポータブルの低周波治療器を使っています。日本代表の遠征の時も、低周波治療器やマッサージガンは持って行っています。

和田私は、疲労が溜まって下半身に重さを感じるようになると、試合中にすごくストレスになるので、着用して足を圧迫することで血行を促進する器具を使うことがありますし、遠征にも持って行きます。

コンビネーション治療器で治療中する、和田由紀子 選手
治療器を考えて使うようになったという話がありました。身体に起きている状況を把握できるなど、理解が深まっているところもあるのでは?

山田そうですね。膝の痛みも、膝が単体で悪いわけではなく、足首や股関節の状態が悪いときに、結果として膝に痛みが出ている場合が多いということが分かりました。だから、膝を気にするだけじゃなくて、足首や股関節の可動域を広くすることで、膝への負荷を減らすことができるものだと分かり、自分でほぐしたり、トレーナーさんに状況を説明して相談したりするようになりました。

和田トレーナーさんに、自分の身体の状態を具体的に伝えることができるようになったかなと思います。例えば肩が痛いときに、今は、その症状によってプレーでどんな影響が出ているのかを自分で確認して、今の状態と試合までにどんな動きができるようにしてほしいのかを伝えるようにしています。トレーナーさんとの会話の内容が細かくなることで、やるべきストレッチの方法を知ることができたり、状態を知るために意識できるポイントが増やせたりしているとも思います。また、そうすることで、痛みがあるけどどうしたらいいのかと考える時間が短くなり、不安を解消するスピードが早くなりました。試合のときも、その日の調子が把握できるので、不安に感じることは少なくなりました。

コンビネーション治療器で治療中する、山田二千華 選手
これから選手を目指す人に、治療器をお勧めするポイントはありますか。

山田競技を長く続けていこうと考えたり、自分の最高のパフォーマンスを出そうと考えたりすれば、当然、身体がベストな状態であるべきだと思います。その準備のために、治療器は使わなくていいと考える人もいると思いますけど、パフォーマンスを上げたり、コンディションを整えたりするために必要じゃないかと思う人には使ってみてほしいと思います。

和田治療器はケガをしたときに使うものだと思っていましたけど、事前のコンディショニングにも効果があります。スポーツ選手が大事にする、その日の調子というものを安定させるためにも使えるという部分です。

常に成長し続ける選手でありたい

インタビューに答える、山田二千華/和田由紀子 選手
最後に、今後に向けて、どんな展望を持っているか教えてください。

山田経験を積んでいく中で、自分自身のことを知っていくものだと思っています。成長し続けていくために、どんな状況になっても大丈夫、安心と思える対処のポイントを一つずつ見つけて強くなっていくことができたらいいなと思っています。明確な理想像があるわけではないですけど、なるべく、常に自分のベストを上げていける選手でありたいです。今は、以前よりも長く現役生活を続ける選手が増えていますし、私もなるべく長く活躍していきたいと思っています。

和田最終的には、世界のトップ選手と肩を並べられるプレーヤーになりたいです。そこに向けて、見ている人が「この人、どこまで成長するんだろう」と思うくらい、常に成長し続ける選手でありたいですし、その成長を素直に認めてもらえるような人間性を備えられるようにしたいです。応援したい、こんな選手になりたいと思ってもらえるような選手であり続けたいです。

山田 二千華(やまだ・にちか) 選手
山田 二千華 (やまだ・にちか)

2000年2月24日生まれ。愛知県出身。
両親の影響で中学生からバレーボールを始める。高校生で日本代表メンバーに選ばれ、第11回アジアユース女子バレーボール選手権で優勝。3年時の春高バレーではエースとしてチームを全国大会へ導く。
高校卒業後はNECレッドロケッツ(現・NECレッドロケッツ川崎)へ入団。184cmの長身を活かし、攻撃の要として活躍する。2025−2026シーズンは新たにチームのキャプテンに就任。SVリーグでの初勝を目指す。
2025年バレーボール女子日本代表

和田 由紀子(わだ・ゆきこ) 選手
和田 由紀子 (わだ・ゆきこ)

2002年1月8日生まれ。京都府出身。
小学生の頃から全国大会に出場し、高校時代にはU18日本代表のキャプテンとしてチームを牽引。コルナッキアワールドカップ2019では優勝を果たし、最優秀選手賞を獲得する。
高校卒業後、JTマーヴェラス(現・大阪マーヴェラス)に入団。高い攻撃力でチームの得点源として活躍する。2024年からはNECレッドロケッツ川崎に活躍の場を移し、力強いスパイクとジャンプサーブでチームの勝利に貢献している。
2025年バレーボール女子日本代表