INTERVIEW インタビュー

リガーレ

仙台

Ligare Sendai

ケガせずチームに貢献できる選手へ

選手とトレーナー、二人三脚で成長を目指す

杉浦文香 選手/小松愛美 トレーナー

2022.09.28

向かって左より、「杉浦 文香」選手、「小松 愛美」トレーナー

インタビュー・文=三河賢文 写真=島崎信一

選手、トレーナーとして出会ったリガーレ仙台

インタビューに答える、女子バレーボール リガーレ仙台 「杉浦 文香」選手
杉浦選手がバレーボールを始めた、きっかけについて教えてください。

杉浦小学生の頃、母のPTAバレーについて行ったときに体育館に中学生の先輩がいて「中学はどうするの?」と聞かれたんです。当時はバスケをやっていたんですが、中学はバレーが強く、しっかりしている環境で競技してみたいなと思いバレーボール部に入部しました。中学3年時にJOCジュニアオリンピックカップに愛知県選抜として出場したのがきっかけで、高校でも上の環境で競技したいと思いました。そして春高常連の岡崎学園高等学校に進学し、春高とインターハイ、国体に出場。大学では愛知学院大学に入って、1部リーグでプレーしました。

インタビューに答える、女子バレーボール リガーレ仙台 「小松 愛美」トレーナー
小松さんは、なぜアスレティックトレーナーを目指されたのですか?

小松単刀直入に『仲間と感動する仕事がしたかったから』に尽きます。バレーボール一家で、父がスポーツ少年団やPTAバレーの監督やコーチをしていました。そのため、私も自然と小中学校ではバレーボールをやっていたのですが、富谷高校に入り1年生の6月、高校総体県大会までは選手だったものの、以降はマネージャーに。強い選手がそろっているのに1~2年にはマネージャーがおらず、「私が裏方の仕事を全て担った方が絶対に強くなる!」そういう直感と使命感に駆られたんです。その想いに監督からは「お前が必要と思うことはなんでもやれ」と、ありがたすぎる言葉をいただきました。それからトレーニング、ストレッチ、テーピングなどの本を買い漁るなど、とにかく選手みんながコート上でさらに輝くにはどうしたら?ということだけに没頭しました。そんな裏方の仕事が大好きで、卒業後は専門学校に通いアスレティックトレーナーの資格を取得しました。

リガーレ仙台への入団、またトレーナーとしてリガーレ仙台での活動を始めたきっかけを教えてください。

杉浦最初はいろいろなチームを見て探していたんですが、リガーレ仙台のホームページを見て、そこに書かれていたチームのコンセプトなどに興味を持ちました。トライアウトもとても良い印象で、ここで一緒に頑張りたいと思ったのがきっかけです。

小松アスレティックトレーナーの資格取得後、さらに専門学校で学んで鍼灸指圧師の資格も取得しました。学校に通いながら整骨院でも働いていましたが、卒業後4年間勤務した後、独立してフリーに。そんなとき佐藤あり紗監督から声を掛けていただき、2019~2020年からリガーレ仙台での活動を始めました。監督とは同い年ですが出会ったのは20歳頃、彼女の所属する東北福祉大学女子バレーボール部に、トレーナーの先輩の声掛けでトレーナーとして携わらせていただきました。学生であるにも関わらず、当時監督だった佐藤伊知子先生のおかげでプロ同様の経験を積ませていただくことができました。そのときの縁で、10年越しに仙台で活動することを決めた佐藤あり紗監督からお声がけいただいたという経緯です。

女子バレーボール リガーレ仙台 「杉浦 文香」選手

©Ligare Sendai

杉浦選手は実際に入団されて、リガーレ仙台にどのような魅力を感じていますか?

杉浦リガーレはラテン語で「つなぐ」を意味するんですが、その名の通り、地域の方や応援してくれる方々への地域貢献で成り立っているチームです。一人ひとりが自立していて向上心や個性のあるチーム。選手兼監督の佐藤あり紗さんが、それを引き伸ばしてくれています。自由にやって良いところと、きっちりすべきところを伝えたうえで、選手たちが意見できる場を設けてくれる。だから、誰でも意見を出しやすい環境です。レギュラー以外でも意見が尊重されるし、チームとしてやりやすく、このチームで活躍したいと思わせてくれます。

仕事内容や、トレーニングを含む1日のスケジュールについて教えてください。

杉浦仕事は放課後デイサービスで、障がいを持ったお子様の支援を行っています。支援学校や小学校へお迎えに行き、デイで一緒にその日の活動や宿題をやるのが主な業務です。18時頃にストレッチから始めて、21時頃まで練習を行います。基本的に週1で休みはありますが、リーグや試合が重なると休めないこともありますね。練習に集中できるよう、オフの時にはリフレッシュするなどメリハリをつけるようにしています。私は温泉が好きなのですが、宮城県にはたくさんの温泉地があるので、鳴子や秋保、遠刈田などに行きました。また、体育館の状況によっては練習がなくなることもあり、その際は各自で課題に向けた練習やトレーニングを行っています。

小松チームのスケジュールにもよりますが、平日土日問わず練習でパフォーマンス確認し、練習以外の時間でケアやトレーニングなどのコンディショニングを進めていきます。選手たちは平日日中働いているので、あまり練習が入らない時間帯は出張専門で治療しています。また、母校の専門学校でも講師として活動しています。

治療器を使うことでコンディションに良い影響が出ている

超短波治療器を使用する「杉浦 文香」選手
質の高いトレーニングを行う上では、コンディション管理も重要だと思います。具体的に実践していること、気を付けていることはありますか?

杉浦できるだけ、疲れが溜まらないよう日常的にケアをしています。疲れてくると足のほか、肩や首もだるく感じることがあるんです。そうした場合はストレッチをしたり、電気を当てて筋肉を緩めたり。あるいは、ストレッチポールやテニスボールを使うなどしてケアしています。

そのほか、身体が冷えるので寝る前に超短波治療器を使用したり、接骨院で鍼灸をしたりして身体を温める工夫をしています。生理痛が酷いので、痛み止めを服用するほか、腹巻や温浴、レッグウォーマーを使ったり、温かい飲み物を飲んだり、長めに入浴することを意識しています。

また、食事にも気を付けていますね。お米や麺類が大好きなんですが、肉や魚、野菜を積極的に摂るようにしています。

競技する上で、コンディションはとても重要です。一番はケガをしないこと。ケガをしてしまえば、頑張ってきたことも水の泡になってしまいます。ケガしてチャンスを逃したり、試合に出られなかったりするのは悔しいし、やっちゃいけないこと。そのための身体づくりが必要です。コンディショニングとはまた別になってしまうと思いますが、身体に関わるものとして興味を持ち、習ったのがフェイスとボディのエステで、資格も取得しました。

インタビューに答える、「小松 愛美」トレーナー
小松トレーナーは治療に物理療法を取り入れ、どのようなことを実践されていますか? 具体的に効果を実感されたエピソードなどがあれば教えてください。

小松治療器のサポートを頂いていることで、選手のコンディションが上がっていると思います。実際、今シーズンは大きなケガはありません。また、家庭用治療器を導入したことで、日頃の体調管理や睡眠にも良い影響が出ていると感じています。

超短波治療は選手の遠征中、寝る前に20分ずつローテーションで使用しています。小型のマイクロカレント(微弱電流)は避けられなかったケガ、急性期のときの治療に使用。また、低周波治療(EMS)は、練習に戻るまでの初期リハビリや筋収縮が入らない際などに活用しています。かけながらトレーニングすることで、筋収縮が入りやすくなるんです。マイクロカレントも入っているので、昨シーズンだとマイクロカレントで治癒を進めつつ、EMSで筋収縮かけるとか。肩の痛みのほか、例えばミドルブロッカーは肩を挙げる回数がとても多いので、特に肩甲骨周りのパフォーマンスを補助するためEMSを使いつつ痛いところにマイクロカレントを使用するといった形です。

低周波・超音波コンビネーション刺激装置を使用する「杉浦 文香」選手
杉浦選手が治療器を使用されていて、効果を実感したエピソードがあれば教えてください。

杉浦超短波治療器については、冬に使うと分かりやすいですね。それまでは寒くて震えた状態で寝ていましたが、超短波を使うと芯から温まって早く眠れるようになりました。

また、超短波治療器はケガをした際、使用後にストレッチなどすると筋肉が緩まり伸びやすくなっていました。以前に肉離れしたとき、歩くだけでも不自然だったんですね。でも超短波治療器を使ってストレッチを繰り返していたら、だんだんと楽になってきたのを感じました。治療では主に鍼灸を行っていましたが、超短波も並行して使用することによって治る速度がかなり変わることを感じられました。

治りかけなど時間に余裕のあるときは、肩にも当てています。自分で揉むのでは表面しかほぐれませんが、超短波なら表面から中の筋繊維まで届いて効いてくれるのでとても便利です。

自宅でも超短波治療器を毎日使用

超音波治療器や超短波治療器は、以前からご存じでしたか?

杉浦小型マイクロカレントは高校にも導入されていて、以前から知っていました。でも、高校時代はケガをしなかったので縁がなく、初めて使用したのは最近のことです。小型だしコードが長いから足首にも届くので、使い勝手が良いですよね。ケガした際は、治療期間中ずっと使っていました。

超短波はリーグや合宿で初めて使ったのですが、身体の冷えや体重が増えにくいことなどを小松さんに相談したところ、「普段から家で使う?」と言っていただき、現在では自宅でも使用しています。

インタビューに答える、「小松 愛美」トレーナー

小松杉浦選手は食べてもトレーニングしても、なかなか筋肉がつかないんですね。ですから消化吸収能力のサポートとして、治療器を預けて使ってもらっています。インボディで計測したところ最近2~3か月で増えていて、すぐの効果ではありませんが、数値的に筋肉量は増えてきているようです。

私は昨シーズンの最初に初めて超短波治療器に出会いましたが、直感でチームにとって絶対に必要だと感じたのを覚えています。超短波は芯から身体を温めてくれるので、導入して良かったと感じています。

超短波治療器は、日常どのように活用されていますか?

杉浦毎日、寝る前に30分を2回。時間がないときは、30分だけでも使います。寒い時期は湯たんぽを入れて温めないと眠れなかったのですが、超短波を使うようになってからは全身が温まり寝やすくなりました。

超短波治療器は、本当にすぐ温まってくれます。冬など寒い時期に、温まってから寝るにはもってこいですね。女性の体調管理には良いことばかりなので特に使ってほしいと思っています。

治療器があることで、選手たちが自分の身体に目を向けてくれる

コンディショニングにおいて、小松トレーナーとも良く相談されますか?

杉浦コミュニケーションは取るようにしています。月1回はケアをしていただいたり、痛みを出さないために強化したい部分を伝え、それに対して個々のトレーニングやケアを受けたりしているんです。それ以外にも「こうしたい」「これに悩んでいる」という相談は乗ってもらっていて、LINEや電話なども使って全面的にサポートしてもらっています。身体が冷えることの相談もしていました。

小松冷えは女性に多いですが、自律神経やメンタルにも影響を及ぼしますし、免疫力、自然治癒力に大きく関わるので、コンディショニング維持のためにも然るべき対応が必須ですね。

インタビューに答える、「小松 愛美」トレーナー
小松トレーナーは物理療法の活用を通じて、何か選手の皆さんに期待されていることはありますか?

小松自分の身体が武器のアスリートでも、自身のコンディションについて分からないということは意外とたくさんあります。身体の仕組みを知らないので当然ですが、調子の良し悪しに「なぜ?」が無いと、ピークパフォーマンスに持っていけなかったり、維持が難しくなったりします。ですので、しっかり選手の訴えを聴き出した上で、ケアに頼りすぎにならないように努めながら、治療器で変化を感じてもらうことで、コンディショニングの大切さに気付いてもらう。繰り返していると、選手自ら「今はこれが必要ですよね?」といった形で自分のコンディショニングが確立していきます。

あまり嬉しいことではないようにも思えますが、不調、ケガをしたときこそ、自分の弱点を強みに変える大チャンス!! もちろん選手は最高に凹みますが、ともに「なぜ?」にフォーカスすることで、身体・心・考え方など、とにかくひと回りもふた回りも大きくなります。ちゃんと自分で意識を持つことで、必要なことを選ぶ力を身につけてもらえたらと思っています。

チームに貢献し、活躍できる選手になる

女子バレーボール リガーレ仙台 「杉浦 文香」選手

©Ligare Sendai

杉浦選手が、現在課題に感じていることは何ですか?

杉浦私は細身なので、インパクトの際に力が伝わりにくいのが課題です。また、変な動きでボールを扱うと痛むときがあり、常に正しいフォームを維持できるようにしなければと思っています。そのほか、足だけで跳ぶと足のケガが多いので、股関節の屈曲・伸展性をしっかりすること。あるいは、臀部(臀筋)を使うと滞空時間が長くなるなど、理想を持って重点的に取り組んでいます。

捻挫癖があるので、足元の細かいところ、跳ぶときの土台にも気を付けています。下半身は少し筋肉量が増えてきましたが、上半身はまだ弱いので、長期的に見ながら強化しています。壊れないための身体づくりに取り組み、やりたい動きと実際に身体を動かすボディーイメージをリンクさせるのも課題です。

杉浦選手の、今後の目標について教えてください。

杉浦とにかくチームに貢献できるよう、何ができるのかを考えてプレーしています。フィジカル面では身体の線が細いので、パワー付けることが課題ですね。とはいえ細身を生かした身体の使い方も考えつつ、コンディショニングで磨き、身体を思った通りに動かすという部分も同時進行でできるようにしたいです。チームに少しでも、どんな形でも、勝利するためには自分の力が必要だと思わせるくらい頑張りたい。どんな場面でも出られる選手になりたいですね。そのためには、ケガをしないことも一つの才能だと思っています。まずは自分のポジションでフル出場できるように。そして、将来的には他のポジションもできるようになりたいです。

女子バレーボール リガーレ仙台 「杉浦 文香」選手
杉浦 文香 (すぎうら・あやか)

1998年7月31日生まれ。愛知県出身。
中学生からバレーボールを始める。3年時にJOCジュニアオリンピックカップの愛知県代表選手に選抜。これを機により上の環境でプレーをしたいと思うようになり、高校はバレーボールの強豪・岡崎学園高等学校に進学。インターハイ、国体、春高に出場する。愛知学院大学バレーボール部での活動を経て、2021年にリガーレ仙台に入団。守備の要となるミドルブロッカーとして活躍している。

女子バレーボール リガーレ仙台 「小松 愛美」トレーナー
小松 愛美 (こまつ・まなみ)

1989年5月23日生まれ。宮城県出身。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー/あん摩マッサージ指圧師/鍼灸師
小学校・中学校とバレーボールに打ち込むも、高校1年時に使命感からマネージャーに転身。高校時代は独学で学び、その後 仙台リゾートアンドスポーツ専門学校にてアスレティックトレーナー取得。直後、赤門鍼灸柔整専門学校にて鍼灸師圧師取得。整骨院勤務を経て、出張専門サロン「mana∞mana」を開院。仙台市を中心にマッサージ・鍼灸・エクササイズなど、一人ひとりの悩みに合わせた完全オーダーメイド施術を展開。2019~2020年シーズンより、リガーレ仙台のメディカルトレーナーとしても活動中。