INTERVIEW インタビュー

前田

美順

Miyuki Maeda

打ち込む気持ちが大事

どんな時でもバドミントンの事を一番に考えたい

2011.03.17

バドミントン日本代表 「前田美順」さん

PHOTO:戸田麻子

「これはタダモノではない!」(笑)

コンディショニング中の、バドミントン日本代表 「前田美順」さん
2010年12月の全日本総合の女子ダブルス(末綱聡子選手ペア)で悲願の初優勝を果たし、前田選手は混合ダブルスも制して2冠を達成。おめでとうございます。

前田ありがとうございます。

バドミントンを始めたきっかけは?

前田小学校1年生の時に姉がバドミントンを始めて、私もそれについていくという形でした。自分でやりたいからというよりは、姉が始めたのでじゃあ私も、という感じでしたね。

その後、中学・高校とバドミントンをされていったわけですが、当時もやはり強かった?

前田いえ、負けてばっかりで全然強い子じゃなかったです(笑)。

社会人になって、プロという形でプレーするようになったのはどういう経緯だったんですか?

前田出身は鹿児島なんですけど、高校は熊本(熊本中央高校)でして、本当に運が良かったといいますか、今の会社(ルネサス セミコンダクタ九州・山口(株))に入社できて、すごく出会いが良かったのかなと思います。

インタビューに答える、バドミントン日本代表 「前田美順」さん
では、治療器との出会いはどういったものだったのですか?

前田ナショナルチームの合宿に参加するようになって、その時にトレーナーに超音波治療や針治療をしてもらうようになったんです。1年ほど前でしたかね、練習の時に「超小型マイクロカレント治療器」があって、自分の中ではケガのうちに入らないんですけど、何か足首に違和感があったので、トレーナーの勧めもあって使ってみました。去年にも突然足が上がらなくなってしまったことがあったんですよね。その「ベッドにあがられへん」状態(笑)になってしまったときに二日間くらい「超小型マイクロカレント治療器」をかけ続けて、ウソみたいに痛みが取れたんですよね。びっくりしました。それでその直後の大会で見事2位でしたから、本当にありがたかったです。

「超小型マイクロカレント治療器」を初めて使ってみたときの感覚、効果はどう感じましたか?

前田本当にこれで効くのかな?という感じでした(笑)。でもそのときに痛みがなくなったので、「これはタダモノではない!」と(笑)。

バドミントンという競技はどういった部分に負担がかかるものなのですか?

前田足首、膝が一番負担がかかりますかね。でもやはり全身運動なので、その人その人のフォームによっても違います。ただ内転筋は特有なのかもしれません。バドミントンは同じ側の手と足を同時に出してシャトルを拾うので、前に踏み出しては戻るという動作がとても多く、負荷がかかりやすいんですよね。コートの前のほうにシャトルを落とされた時などに、ぱっと大きく足を広げますし、戻るときには軸足を支えないといけないですから、その姿勢でかなりの負荷がかかって痛めることが多いですね。

回復できる痛みのうちにセルフケアするようになった

インタビューに答える、バドミントン日本代表 「前田美順」さん
今までこのような治療器を使用していましたか?

前田いいえ、私はあまり大きなケガをしてこなかったんですよね。両親に感謝ですね(笑)。

治療器を使うようになってから、コンディションに対する考え方が変わりましたか?

前田ちょっとした違和感があるときに、すぐに治療器を使うようになりました。私はそれほど大きなケガをしないので、「超小型マイクロカレント治療器」で回復できる痛みのレベルのうちにセルフコンディションケアをするようになりましたね。

「超小型マイクロカレント治療器」を使う時間が一番多いのはいつですか?

前田長時間の移動の時とか、やっぱり使う時間は寝てる間が一番多いですね。

今後アスリートのセルフケアというのは増えていくと思いますか?

前田私自身が効果を実感しているので、他のアスリートも使ってみるといいんじゃないかなと思います。 寝てる間というのは何もできないですし、その何もできない間にこうやってパッドをペタっと貼って簡単にケアができるというのが私は一番いいかなと感じています。

寝ているときでもバドミントンのことを考える

ラケットを手にする、バドミントン日本代表 「前田美順」さん
休日のときはどのように過ごされていますか?

前田みんなと同じように買い物にいったり、普通に過ごしていると思うんですが、休みの日でもバドミントンのことは考えてますね。オン/オフの切り替えが上手くないので身体が休まってないのかなとは思うんですが。

前田選手の信条は?

前田私にとって、高校のときの先生の存在が大きいんですけど、その先生が「バドミントンをやっている以上、ラケットを握っている以上は、常日頃どんな時も、寝てるときですらバドミントンのことを考えろ」とおっしゃっていまして、つまりそれくらいバドミントンに打ち込む気持ちが大事で、私は今でもそれが続いているんだって思います。むしろそうでないと私じゃないという気がしているんですね。まぁ逆にそれが先ほど言っていたオン/オフの切り替えが上手くいかないというようなことにもなってしまっているのかもしれませんが、バドミントンをやっている以上はどんなに辛くても、バドミントンのことを一番に考えたいです。

インタビューに答える、バドミントン日本代表 「前田美順」さん
(2011.2.16)現在の女子ダブルス世界ランキングは第2位。追うものから追われるものへ変わったという思いはありますか?

前田確かに世界ランキングは2位なんですが、下のランキングの選手と戦っても負けることはやはりありますので、2位だからといって気持ちの変化はありませんね。むしろ自分が2位でいていいのかな?って思っているので、どんな大会、どんな試合でも自分たちの力が出せるように全力で挑んでいます。

スエマエコンビの名を全世界にしらしめた出来事といえば、やはり世界ランキング一位の中国ペアを破った北京オリンピックが挙げられると思います。当然嬉しかったことは勿論のことだと思いますが、あの前後で身の回りの環境は変わりましたか?

前田周りがすごく期待してくれたり、バドミントンを全く知らない人たちも試合を見てくれましたので、見られているという意識が強くなって、(上位ランカーとして)以前よりもっとしっかりした姿勢や試合をしなければならないという気持ちが生まれましたし、いい経験だったなと思います。あの北京の時の自分たちのパフォーマンスで4位という結果は奇跡的なことだったと思っていて、あの頃から私たちもさらにレベルアップできていると思っていますから、まだまだこれからの可能性を感じて頑張っています。

となると、やはり次はロンドンオリンピック?

前田あまり考えないようにはしているんです。オリンピックというのは一試合一試合戦いながらその先に見えてくるものだと思っているので、ロンドンを大きな目標とせず、どんな大会でも表彰台を狙って戦っていけたらいいなと思っています。

バドミントンというスポーツがスエマエコンビの活躍によってもっとたくさんの人に広がっていくといいですね。

前田はい。でもバドミントンは皆さんどこかでやったことのあるポピュラーなスポーツなんですよね。ですから私たちが活躍することで、メディアで取り上げられてメジャーなスポーツにしていきたいとは特に意識せずに、今までどおり自分たちの目標のため、応援してくれる方々のために、この先もスエマエコンビと言われる前と同じ気持ちでしっかり頑張っていきたいと思っています。

最後に、前田選手にとってバドミントンとは?

前田前田美順そのものです。バドミントンがないとなにをしたらいいかわからないくらいですから。

バドミントン日本代表 「前田美順」さん
前田美順 (まえだ・みゆき)

1985年10月14日、鹿児島生まれ。熊本中央高校出身。
ルネサス セミコンダクタ九州・山口(株)所属。バドミントン日本代表女子ダブルスでチームメイトの末綱聡子とともに北京オリンピックの代表に選ばれ、アテネオリンピックで金メダルだった楊維・張潔ブンペアを破り、日本バドミントン界史上初のベスト4に進出する快挙を成し遂げる。この劇的な勝利で末綱選手と前田選手のコンビは「スエマエ」と呼ばれ、多くの注目を集めている。